岸田内閣が掲げる「異次元の少子化対策」の一環として、児童手当が新たに18歳まで月1万円を
支給する方向で検討しているとか。
現在は中学生までが対象なので支給対象が拡充されるようですね。
しかも、今まで個々人の所得金額により支給が制限されていましたが、それも撤廃するとのこと。
所得に関係なく支給されるとなると、個人的には公平ではないような気がしますが。。。
児童手当の話はこれぐらいにしましょう。
今、『所得金額』という言葉が出てきました。
僕が会計事務所に勤めていた頃に『収入金額』と『所得金額』を同一に思っていた人が時々いたので、その違いをここで書きたいと思います。
この記事では、アルバイトやパート、正社員などで給料をもらっている人について書いていきます。
1.収入金額と所得金額
2.給与所得控除
3.まとめ
1.収入金額と所得金額
簡単に言うと『収入金額』は、自分が労働して得た金額や、個人事業で物品やサービスなどを販売して受け取った金額をいいます。
アルバイトをしている人なら時給、サラリーマンなら月給、その中には残業手当や役職手当、家族手当などや、賞与も含まれます。
物品やサービスを販売している人なら、収入金額は売上高(販売価格)になりますね。
それに対して『所得金額』は『収入金額』から必要経費を差し引いたものをいいます。
収入金額-必要経費=所得金額
必要経費というのは、物品やサービスを販売する人なら、その物品の仕入れ代金とか、販売するためにかかる交通費や送料、光熱費、接待費、事務所や倉庫を借りていれば家賃など、いろいろ考えられますね。
それらを収入金額から引いたものが所得金額です。
取引をして自分の手元に残った金額と言ったらわかりやすいでしょうか。
物品やサービスを販売する人であれば、これで理解しやすいと思いますが、世の中で収入を得る人の大多数の人は、労働の対価として『給料』をもらっています。
ホワイトカラーもブルーカラーも、雇用契約に基づいて自分が提供して得た対価(給料)がこれに当たります。
けれど、給料をもらってる人は、自分で必要経費を計算して確定申告をしたことはないですよね?
給料をもらっている人でも、会社に行くための服や靴を買ったり、雨の日には傘などの雨具を買ったり、会社には請求できない文具や、女性だったら化粧品などの『経費』があるのに、みんな自腹を切っていますよね?
2.給与所得控除
国は、そうやって給料をもらっている人にも必要経費を認めているんです。
給料をもらっている人には『給与所得控除』と言って、下記のように、年収に応じた割合を年末調整の時に『収入金額』から引いてくれています。
例えば、年収が500万円の人なら、給与所得控除(必要経費)は、
5,000,000円×20%+440,000円=1,440,000円 。
年収5,000,000円から給与所得控除 1,440,000円を引くと 3,560,000円。
この 3,560,000円が給与所得となります。
給料収入だけの場合、一般的に『所得』というと、この部分のことを指す場合が多いです。
なので、何かの基準で『所得が400万円以上の方は対象外』と書かれていたら「自分は収入が500万円だからダメだ」と諦めないでください。年収500万円なら(上記のように)所得にすると356万円になるので対象となる場合があります。
出典:国税庁
ついでに(大雑把に)言うと、税金を計算する場合、その給与所得から社会保険料や生命保険料、配偶者控除、扶養控除、基礎控除などなどの所得控除を差し引いた金額(課税所得金額)に税率を掛けて税額を出します。
そうなんです、年収500万円の人なら、税金はその500万円に対してかかるわけではなく、いろいろ控除された残りの金額に対して税金がかかるんです。
話を戻しますね。
収入金額から、それに応じた割合を経費としてくれる給与所得控除というものがあることはわかりました。
しかし、収入金額が同じだったら給与所得控除額もみんな同じというのは、おかしいと思いませんか?
オカネの使い方って、人それぞれで違うのにね。
節約する人もいるし、浪費する人もいるし(笑)、なのに同額です。
でも、国はそこまで対応していたらやり切れないようなので、一律ってことみたい。。。
すごく日本らしさを感じます。
僕は不公平に思いますが、法律がそうなっているので仕方ないですね。
3.まとめ
●『収入金額』は、自分が労働して得た金額や、個人事業で物品やサービスなどを販売して受け取った
金額をいいます
●給料をもらっている人の場合は、1年間の『収入金額』から、それに応じた割合を『給与所得控除』で引きます。引いた後の金額を一般的に所得金額と言います。
●上記から『収入金額』≠『所得控除』です